金曜の夜から日曜朝にかけて、協力隊の知り合い四人で、中国との国境の町ザミンウドへ行ってきました。寝台列車で車中二泊。大変といえば大変ですが、ベッドで横になれるし、僕は汽車では酔わないので、車より断然楽です。手元の地図によれば、ウランバートル-ザミンウド間は約500km。東京-大阪くらいでしょうか。
モンゴル鉄道南側半分の路線図。左上が私の住む首都、ウランバートル。右下が今回の目的地ザミンウド。

乗る汽車はこんな感じです。ウランバートル-エレンと書いてありますが、エレンは中国側の都市ですね。

金曜日の夜20時、ウランバートル駅を出発。ちょうど日が暮れた頃です。残念ながら車窓の風景は明日の朝までおあずけ。前回エルデネットから乗った時は四人用の部屋を一人で占領していましたが、今回もちょうど四人なので四人部屋を占有。知らない人がいないのは精神的に楽ですね。延々とトランプの大富豪をやって、寝たのは夜1時過ぎ。
さて、夜が明けます。実はこの夜にサマータイムの切り替えがあり、時計が一時間進みました。ちょっと損した気分。朝8時半、もうすぐザミンウドという時に窓から見えたのがこの景色。地平線にちょっと感激。

「地平線」について少し説明します。モンゴルは草原の国でどこもかしこも地平線だと思われがちですが、ウランバートルを含む北の方は意外と山がちで、本当に真っ平な地平線というのは意外と見る事ができないのです。(ちなみに最初「人生初の地平線」と書いたのだけど、オーストラリアで地平線を見たのを思い出しました…)
朝方なので汽車の影が。どことなく大陸風。

ザミンウドの町へ。給水塔(?)が見えます。

朝9時、ザミンウド駅着。サマータイムで一時間損している事を考えると、片道12時間ですね。キリル文字と漢字で駅名が書いてあります。ラテンアルファベットが無いのが面白い。

駅舎にはこんな塔がついています。街中で一番高いと思われる建物で、よく目立ちます。ロシア風デザインなんだろうか。

駅前広場に出ました。国境を越えた中国側の町、エレンホトへ行く車がたくさん並んでいます。


街中をちょっと歩いてみます。異常に道が良い。街灯なんかついていたりして、ウランバートルなど比較にならない位。多分、中国からの援助でしょうね。国力の違いを実感させる為か。


駅から10分も歩くと町外れ。いきなり地平線が。砂漠とまでいかなくとも、砂に覆われた一面の荒地。モンゴル語でゴビというのは、こういう地形の事らしいです。

町外れを、国境へ向けて歩く。



さて、10分も歩くと、もう中国との国境のゲートになります。ザミンウドと中国側のエレンホトは自由貿易地区(?)らしく、車はガンガン通っていきますが、歩いては行けないみたい。写真も撮っちゃいけません。ゲートを随分離れてから撮ったのが次の写真。この道は中国に続きます。

さて、再びテクテク歩いて街中へ。と言っても10分もかからないのですが。街中にはなぜかラクダが。同行したNさんは「ラクダが見たい」と騒いでいたので、よかったね。

お寺もありました。

ウシだっているんだよ。

砂の上を歩いていく人達。

などと、ザミンウドと関係無さそうな写真ばかり並べていますが、実際特に街中に目立つ物があるわけでもないんですね。小一時間もあれば全部歩いて廻れるような小さな町です。さっきの道の向こうに見える中国側の都市、エレンホトは、遠目にも高い建物が建っていて、モンゴルと中国の経済力の違いを感じさせます。でも、ザミンウドの町を走る車はウランバートルに比べてきれいな事が多く、やはり中国からの玄関口だけあって栄えているんだと思いました。
さて、再び歩いてモンゴル側の町外れへ。


何の荷物かはよく判りません。遊牧民の引越しか?

ときどき、こんな物が落ちています。

漂白されて真っ白。

砂漠の只中へ…

振り返ると青い空。

砂の粒子はとても細かく、極端に乾燥しているため、まるで水のように流れます。冬を越しているのでとても冷たく、長い時間触っていられない程。よく、砂漠は海に、オアシスは島にたとえられますが、その気持もよく判ります。

町を離れて10分程歩いたかな。どこまで行っても景色は変らないので、適当な所で切り上げて汽車の中のトランプの勝負の続き。風でトランプが飛ばないように、砂に挿しています。

なぜか七並べ。

最後に心象風景でも。

こんな感じで国境と砂漠を満喫(?)して、再び汽車に揺られる事16時間。帰りは各停なので時間がかかりましたが、翌朝日曜10時、夜行寝台でのんびりとウランバートル駅に着きました。日本ではもう寝台列車はほとんど無いですが、汽車の旅もいいものですね。

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