レンジャーさんのカザフゲルにて、7時起床。良く寝れた。さて、氷河に向かいます。今日は馬で片道3時間。
その前に朝飯。
スーテーツァイ(ミルクティー)、揚げパン、乳製品もろもろ。正統派遊牧民の朝食ですな。ウルム(生クリーム)がおいしい。ヤクの乳で作っているのかな。

昨日は寒々しい空でしたが、今日は爽やかな青空。

9:30出発…の前にカザフゲルの中を拝見。カザフは刺繍で有名ですが、ゲルの中は刺繍した布で飾られていて、とても華やか。そして色はやはり赤。寒い場所(冬は-40℃位)だけに、暖かい色が好きなんでしょうか。

隣のゲルにいたオーストラリア人三人と、全部で10人位で出発。私の乗った馬は競馬用に調教されているそうで、なかなか言う事を聞いてくれません。仕方なく最初のうちは綱を引いてもらう事に。これはこれでラクかも。
野越え山越え川越えて2時間程。小さな峠で休憩しました。遠くに見えるのはモンゴル、中国、ロシアの国境の山脈。あれの麓あたりまで行きます。

馬だって休みたいわな。

頭がカユいらしい。

あ、アンモナイト。

本当はアルガリ(野生の羊)の角です。

花とアンモナイト(もういい?)

30分ほど休んで出発。馬にも慣れてきて、ここからは引き綱を止めて一人で行きます。競馬馬というのは伊達ではなく、他の馬の後ろにいるのが嫌なようで、どんどん前に出ていきます。氷河にも何回か行った事があるらしく、馬が道を知っているので僕は道を知らなくても大丈夫。こりゃ楽だ。
んで、馬に揺られる事1時間。
おお、氷河だ。


この写真は随分氷河に近づいてから撮ったので興奮が薄れていますが、最初、馬が丘を越えていった先に氷河を見つけた時は結構すごいと思いました。普段住んでいるウランバートルと同じ国とは思えません。
反対側はこんな感じ。夏空ですね。

氷河のあたりで一時間程休んで、また3時間かけてレンジャーさんの家まで戻りました。馬も早く帰りたいのか、小走りになります。でも、他の馬の前に出てしまえば僕の言う事を良く聞く、良い馬でした。お疲れ様。

レンジャーさんのゲルで少し休んで、車で山を下ります。ウルギーまでは帰れませんが、途中で泊まろうという計画。レンジャーさんさようなら。

30分程車で走り、鷹匠の住むゲルに行きました。これもカザフ独特の文化です。鷹は子供の頃に拾ってきて、家族同様に世話をするそうです。これで三歳。かっこいい。

何を見つめるのか。

でも、つぶらな瞳。

羊の乳搾りなど見てから、もう少し下まで行こう、という事になったのですが。

この鷹匠さんの家に行く途中に川渡りがあります。ここ数日の雨で増水中。行きは簡単に渡ったのですが、帰り道。ガタガタ…ゴトゴト…プスン。あ、とまった。
そう、幅20m位の川の真ん中で車が止ってしまいました。エンジンはかかりますが、非力なのかびくともしません。先の鷹匠さんの家から200m位なので、助けを求めるべくエルドスはクラクションを鳴らしますが誰も出てこない。Kさんが「下りて押そうか?」と言うと「増水していて危ないから止めて下さい」とエルドス。どうしよう…と言っていると、車の下から浸水してきました。

これは困った。エルドスは車を下りて先のゲルに助けを求めに行き、残された我々はコップで車内の水を汲み出す事に。無事に脱出できるのか!?
…なんて力を入れてみましたが、実際の所そんなに困っていませんでした。まず、今は夏で気温が高く、夜9時とは言え暗くなるまで時間があった事。冬にこんな事になったら真剣に凍死しかねないし、草原で暗くなると本当に周りが全く見えなくなり、助けも呼べなくなります。そして一番大事なのは、すぐそばにゲルがあって、車が何台も停っている事。この「車」が大事だという事を、明日痛感する事になります。
結局エルドスが呼んできた車に引っぱってもらい、無事脱出。車内では歓声が上がりました。そりゃそうだ。
陸に上がってドアを開けた瞬間、車内から水がどっと流れ出ました。いい絵なのに写真が無いのが残念。あたりまえか。

ボンネットを開けて乾かします。ロシア製の69(ジャランユス)は構造が簡単で、こういう時には便利。モンゴルでよく使われている理由が判りました。ただ、やはり水に漬かってしまったのはマズかったらしく、ウルギーに戻ってから調子悪かったようです。

流石にこんなトラブルの後では先に進む事はせず、今日は鷹匠の家(の近くのエルドスの知り合いのゲル)に泊まる事にしました。まあ、良くある事でしょう。写真は乾燥中のアーロール(硬いチーズ)。夏はよく作っています。

家のまわり。

光の具合が気持ち良い。

まあ多少浸水したりしていますが、楽しい旅路です。明日はもっとすごいよ。
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